湯灌とは?
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湯潅とは、逆さ湯と言われる水にお湯を足して、ぬるま湯にしたもので、故人のご遺体をきれいに拭く所作をいいます。機能的には、故人のご遺体を納棺する前に、物理的にきれいにして清潔に保つ意味合いや、儀礼的に故人の穢れ、や煩悩を払うため、身を清めるといった宗教的意味合いもあります。
穢れを払うという意味は、神道的な葬儀観に立った意味です。沖縄など全国の一部の地域では、神道による葬儀が、伝統的にとりおこなわれています。
その他のエリアでは、ほとんどが、仏教的な葬儀観による湯潅が行われています。
徳川時代に、江戸幕府は、戸籍を創る代わりに、仏教系の菩提寺への死亡届けを通じて、故人の家族構成などを把握していました。当時の日本国民は、総て菩提寺中心に葬儀を行うことを義務付けていました。
沖縄は、その当時日本国から独立した琉球王国だったので、幕府の管理が、及びませんでした。その結果、仏教系の菩提寺の影響を受けることなく、神道の儀式を受け継いだ葬儀の文化を継承しています。
湯潅人とは?
湯潅人とは? 隣組や地域のネットワークの中で、湯潅を行う役割の人が、ご遺族の他に、慣習的に決まっている場合、この役割の人を湯潅人といいます。
かつては、地域の中で、葬儀が執り行われて、湯潅も地域の人が行ってくれました。現在では、湯灌人という名称が残る地域もありますが、実際に、湯灌人が、湯灌をおこなうことは、稀なようです。
地域の中での慣習にもよりますが、故人の住まれた地域に湯灌人がいる場合、この湯灌人が、最初に、故人宅で、故人のご遺体に対して、ご冥福をお祈りするのが、しきたりのようです。
現在では、病院等で、故人がお亡くなりになる際に、看護師さんによって、ご遺体を清潔に保つようアルコールで、清拭してくれるのが、一般的です。
現在でも湯潅の儀礼的意味合いを重視すて葬儀社が行うことも!
病院の看護師さんによる清拭を以て、湯潅とする考え方が、主流になりつつあります。この看護師さんの清拭のあと、葬儀社の車や、ご遺族の車によって、葬儀会場の遺体安置室や故人のご自宅に、搬送されるのが、通例です。
儀式としての、湯潅の機能に重きを起き、死化粧とあわせて、葬儀社で湯潅を行う場合もあります。
この場合は、葬儀社のオプションの一つとして、喪主が、選べる内容となっているようです。
費用的な相場は、湯潅から納棺まで込みで、5万円ー7万円と地域により幅があります。