家族葬の本質と参列

家族葬への参列する上での注意点!

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家族葬の本質は?

家族葬とは、一般に、家族や近しい親族や親友など、身内だけで、執り行う葬儀と言われています。

しかして、家族葬の本質は、密葬と告別式の合体したものです。

密葬とは、一般葬の前に執り行う、家族だけで、静かな日常空間の中で、故人を弔うために執り行う葬儀のことです。

密葬と家族葬の区別は、?

芸能人など大多数の一般会葬者の参列が、予想される葬儀では、①家族だけで、故人を弔う葬儀と、②告別式を伴う一般葬と分けて行っていました。

告別式での、一般会葬者の対応に追われ、故人と落ち着いて、最後のお別れをする機会を設ける必要があったからです。

例えば、密葬は、故人の自宅で済ませ、お通夜や告別式は、東京の芝の増上寺や神奈川の鶴見の総持寺など大多数の会葬者を招待できる寺院で執り行われていました。

現代の家族葬は、この密葬と告別式が、同時に行われるものです。

①ご遺族を中心とする親族が参列する密葬と②一般の会葬者が参列する告別式が、同時に行われる家族葬に、親しい友人が参列することができるのは、告別式としての側面があるからです。

密葬であれば、ご遺族を中心とする親族のみが、参列し、親友であっても参列はしません。

密葬のあとで、執り行われる一般葬の告別式への参列に、招待されるからです。

訃報に、家族葬と告別式の記載があれば、名前は家族葬でも本質は密葬

もし、家族だけでの、葬儀のあとに別途、告別式が予定されていれば、現代でも、その家族だけの葬儀は、家族葬ではなく密葬です。

たとえば、訃報に、家族葬と告別式とそれぞれの日程が、記載されているような場合、その家族葬は、密葬のことです。

この場合、一般会葬者の参列は、告別式に対して、行います。一般葬の告別式には、参加者の制限は特に、ないのが通常です。

したがって、訃報を他者から聞きつけて、故人と生前にお付き合いのあった方が、参列することも普通に起こりえます。

 

密葬に、参列するのは、ご遺族をはじめとする故人の親族が中心です。密葬へは、親しい友人でも参列することはないです。

この場合の一般の会葬者は、親しい友人も含めて、密葬のあとに開催される告別式に参列することになります。

現代でも地方では、密葬が庶民の間でも執り行われる。

密葬は、芸能人や政治家の特許のような、一般人と無関係な葬儀ではなく、戦後、人口が増え、人の生活上の接点が膨大だった日本社会では、庶民の間でも、執り行われることが多く見受けられました。

とくに、地方の地元の方が高齢になられて故人になられた場合などは、ふつうに、密葬が行われる風習もありました。

このケースでは、密葬のあとの一般葬で、故人の息子さんの勤務する会社の人だけで、100人を超える会葬者が参列することもめずらしいことではなかったのです。

くわえて故人との生前でのご縁が、さまざまな人と結ばれ、その人々が、告別式に訪れ、500人を超える一般会葬者の数も目立ちました。

現在の家族葬と参列のありかた

時代は、少子高齢化社会となり、また若者が都会へ出ていくことで、人の生活上の接点は、地方でも都会でも少なくなりました。

従来の葬儀では、地域での葬儀組合といった相互扶助的コミュニティーのもとに、執り行われていました。

地域の中で、誰かが、逝去されると、そのコミュニティーが最初に機能しました。

告人(つげびと)といわれる役割を負う人が、故人の自宅を訪問し、ご遺族から、葬儀の日程を確認して、他の地域民に伝えることから、葬儀がスタートします。

次に地域の菩提寺に、その情報が、地域民から伝わり、導師の手配など、葬儀の準備が、手際よく展開されていきました。

「村八分」という「ことわざ」がありますが、ムラ社会において問題のある家に対して、完全に絶交させるのではなく、火事と葬儀のときだけは、支援をするという意味です。

この「ことわざ」にあるように、葬儀については、相互扶助コミュニティーなくしては、執り行うことができないことを意味していました。

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葬儀社の支援と家族葬

現在では、地域は過疎化が進み、相互扶助コミュニティーも菩提寺の住職が不在になり、機能しなくなりました。

すると、地域で、誰かが、逝去されると、喪主をはじめとするご遺族は、相互扶助コミュニティーに代わって、葬儀社を頼るようになりました。

葬儀社が、地域の相互扶助コミュニティーに代わり、火葬場の手配から、訃報の発信、葬儀会場の手配、精進料理や香典返しの準備まで、一貫して、お世話します。

この葬儀社が、提案したのが、家族葬です。

地方在住の方も帰属意識をもつのは、勤務先の会社!

現在では、地域に居住していても、帰属意識をもつのは、勤務先の会社に対してです。

ご近所付き合いよりも、会社のお付き合いが重視される現代社会では、葬儀の際に、会社関係の会葬者の参列が目立つようになりました。中には、会社の取引先の方まで、気を使われて、参列することもあります。

すると、会社に勤務する息子さんのお父さんが、逝去されたような場合も、会社関係の人が数多く参列します。

これでは、ご遺族は、会社関係の方に多くの気を遣い、故人を偲ぶ時間がないまま納骨するという現象がいたるところで見られるようになりました。

そこで、会葬者の範囲を故人とごく親しくしていた親族や友人に限定し、密葬と告別式を同時に行う家族葬を葬儀社が提案しました。

費用も小規模で済むので、ご遺族にとっても、負担のすくない葬儀形式として、受け入れられるようになりました。

家族葬の参列辞退の意向

家族葬による会社関係者の参列の辞退

家族葬の参列辞退の意向は、たとえば、会社の社員でしたら、家族葬を執り行うための忌引休暇の申請を会社の総務・人事に行こなう際に電話で伝えます。

辞退の意向は、特に、当該会社の社員が喪主を務める場合、「葬儀は、家族だけで執り行うので、誠に遺憾ながら、会社関係の方のご参列を辞退させていただきます。」といった形式でお伝えするのが多いです。

この意向を伝えると、会社の福利厚生として、弔電や香典の内容が説明されます。この福利厚生をどう受け取るか?もこのときに、確認します。

弔電は、葬儀の雰囲気を出すものとして、受け入れられるケースが多いです。また香典は、会社関係の方の参列を辞退している場合、後日、改めて、出社した際に受け取られることが多いようです。

社員が喪主を務めない場合も、上記の辞退の方法に準じます。

家族葬への会社関係者の参列

会社の社員が、逝去して、その家族の喪主から、会社に対して、家族葬の意向を受けていた場合

この場合でも、会社を代表して、会社関係者の一人が家族葬に参列することは、世上よく見られます。会社側から、打診して喪主が受け入れて参列する場合がほとんどです。

会社の社員の家族が、故人となるのと比べて、会社の社員が故人となる場合は、故人そのものが、会社との結びつきが強いからです。

 

会社関係者が、社員の家族葬に参列する場合の香典の渡し方

①会社の同僚や上司の個人の香典の渡し方

同僚や上司の個人単位の香典は、喪主の香典辞退の意向があれば、この意向に従います。

香典辞退の意向が、ない場合は、個人のそれぞれの香典をすべてお渡しするのではなく、「社員一同」という形でまとめて出すのが、無難です。

香典返しの対応に、神経を使わさせないためです。まとめて出すことで、その場で香典返しをせずに、あとから、会社あてに郵送するなど、ゆとりをもった対応ができます。

②会社の福利厚生としての香典の渡し方

香典辞退の意向があっても、会社の福利厚生からの香典である旨を伝えて、香典のお返しは不要である旨を明確にそて渡します。

家族葬の参列者はどこまで?

家族葬の本質は、密葬と一般会葬者の参列する告別式が合体したものです。

したがって、家族葬に参列できる人は、喪主が、故人を静かに、いっしょに偲びたいと考える身近な方すべてということになります。

本来なら、家族だけで、故人を偲ぶ密葬と、一般会葬者の参列する告別式を分けておこなうところ、両者を合体して、ご遺族の気遣いと経済的出費を減らすのが家族葬です。

家族葬という名前から、ご遺族の家族に限定することも必要ではないですし、親友と呼べるか?わからない方でも、ご遺族が一緒に故人を偲びたいと思われる方なら、参列者として招待されます。

家族葬の参列者として注意すべき点

家族葬の香典をどのように準備したら良いのか?わからないという方もいらっしゃるかと思います。

相場にしたがって、準備するのが、常識的な香典の渡し方につながります。

ご遺族との関係性によって、香典の相場が異なります。この点は、一般葬も同じです。

家族葬の香典の相場は?

  • 勤務先関係・ご近隣関係・ご友人に不幸があった場合
    5,000円
  • ご親類に不幸があった場合
    5,000円
  • ご兄弟・ご祖父母に不幸があった場合
    30,000円〜50,000円
  • ご両親に不幸があった場合
    50,000円〜100,000円
家族葬での香典の渡し方

家族葬では、香典を辞退するケースも数多く見受けられます。香典を辞退する理由は、①香典返しの経済的負担を軽減させる。②香典返しの煩わしさから開放され、落ち着いて、故人を偲びたい!という2点があります。

香典を辞退する意向が、香典などに明確に示されている場合は、その意向に従います。

香典辞退の意向が明確に示されていない場合の渡し方

香典辞退の意向が、訃報などに明確に示されていないときには、家族葬だから、香典は不要と決めつけるのではなく、喪主に確認できる立場の方は、まずは、確認をしてから、その意向に従います。

香典辞退の意向を確認できない場合は?

どちらでも対応できるように、香典を携えて、家族葬に参列します。

もし、香典辞退の意向が、葬儀会場で明確になれば、香典をお渡しするのを、控えれば済みます。

香典辞退の意向がないとわかった場合は、葬儀会場でお渡しします。

 

家族葬に参列できなかった場合

家族葬に招待されていたのに、①仕事の都合や、忌引きなど諸般の事情で、葬儀当日に参列できなかった場合や②招待されていなかったので、葬儀のあとに、弔問という形で、故人を偲びます。

これらの場合、香典の渡し方を含めて、どのようにしたらよいか?と悩まれることが多いです。

①仕事の都合や、忌引など諸般の事情で、家族葬の当日に参列できなかった場合

喪主が家族葬にあたり、香典辞退をしていないのであれば、香典に手紙を添えて郵送するのが、無難な対応となります。本来なら、喪主やご遺族とともに、故人を偲びたかったところ、止むに、止まれぬ事情で、参列できなくて申し訳ない旨の気持ちが伝わることが肝要です。

喪主が、香典辞退をしておられるのなら、お花にお手紙を添えて葬儀会場に送ることで、香典辞退の意向を汲みつつ、止むに、止まれぬ事情で、参列できなくて申し訳ない旨の気持ちが伝わります。

上記2点が、仕事の状況で忙しく、できない場合は、後日に弔問して、お手渡しするか、郵送という形を採ります。

②招待されていなかったので、家族葬を後日に知るにいたり、弔問という形で故人を偲ぶ場合

まずは、葬儀の後日になってから、弔問してよいか?ご遺族に確認します。葬儀のあとも、故人の戒名やお墓の件など、ご遺族は、なにかと忙しいです。

したがって、ご遺族が、落ち着く頃を確認してから、その時期に絞って弔問の日程の約束をして、伺います。

 

家族葬を後日に知った場合の香典の渡し方

この場合も、ご遺族のご予定を確認後、弔問して、お手渡しで、お渡しするのが、原則です。

この予定を確認する際に、ご遺族に、香典辞退の意向があるかどうか?を伺います。

香典辞退の意向がある場合は、香典はお渡ししません。お気持ちとして、お花やお線香などをお渡しするのはマナー違反にはなりません。

 

例外的に、遠方に引っ越したなど、特段の事情がある場合は、郵送で、ご送付します。

その場合でも、香典辞退の意向をお電話などで確認し、辞退されるといいうことであれば、お花やお線香を郵送します。

 

 

 

 

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